筋力トレーニングは健康の増進に寄与することが知られている.しかしながら,従来の筋力トレーニングは単純な反復運動で構成されているため,ユーザが動機を維持しにくい課題がある.本研究では,この課題を解決するための手法として,重心の移動が可能なダンベル型デバイスを提案する.このデバイスでは左右のウェイトプレート間で水を移動させることにより重心の移動が可能である.重心を移動させることにより,デバイスの総重量に変化がなくとも,負荷が変化したような知覚を与えられる.この技術によって,ゲームをプレイしながら筋力トレーニングを行う新しいexergame などのアプリケーションが実現できる.本研究では,アクリルを用いて製作したダンベル型デバイスの製作と,このデバイスがユーザに与える負荷の知覚に関する実験を行い,ユーザの知覚と負荷の変化の関係性を調査した.

有薗拓也,橋爪崇弘,矢谷浩司.「重心移動が可能なダンベル型デバイスの製作とその知覚に関する実験」第53回報処理学会UBI研究会,2017年3月.(paper) 学生奨励賞受賞