「Research」カテゴリーアーカイブ

Exploring Nudge Designs to Help Adolescent SNS Users Avoid Privacy and Safety Threats

A nudge is a method to influence individual choices without taking away freedom of choice. We are interested in whether nudges can help adolescents avoid privacy and safety threats on social network services (SNS). We conducted online surveys to compare how different nudge designs influence decisions in 9 scenarios featuring various privacy and safety threats. Through the data collected from adolescent SNS users (self-claimed high school and university students), and found that nudges can help to reduce potentially risky choices. Participants were more likely to avoid potentially risky choices when presented with negative frames (e.g., “90% of users would not share a photo without permission”) than affirmative ones (e.g., “10% of users would”). Social nudges displaying statistics on how likely other people would make potentially risky decisions can have a negative effect in comparison to a nudge with only general privacy and safety suggestions. We conclude by providing design considerations for privacy/safety nudges targeting adolescent SNS users.

ナッジは人の選択肢を奪うことなく人の行動をある方向に誘導するものである。本研究では、若年層ユーザがSNSにおけるプライバシーや安全上の脅威を避けるためのナッジの効果を検討した。プライバシーや安全上の脅威に関する9つのシナリオにおける若年層SNSユーザの意思決定が、異なる警告文のナッジによってどのように変化するのかを比較するオンライン調査を実施した。その結果、ナッジの存在がリスクの高い行動を避けるのに有用となり得ることを確認した。また、「55%の人は(SNSで知り合った人と1対1で)会わないそうだよ」といった否定文のナッジを提示された時の方が、「45%の人は会うそうだよ」といった肯定文のナッジを提示された時と比較して、実験参加者はリスクの高い選択肢を避ける傾向があることが分かった。さらに、他の人がどのように行動するのかを統計的に示すソーシャルナッジは、単にプライバシーや安全に関しての提案を行うナッジと比較して、安全な行動を促進する上で逆効果ともなり得ることが分かった。最後に、若年層SNSユーザのためのナッジデザインの検討を述べる。

Hiroaki Masaki, Kengo Shibata, Shui Hoshino, Takahiro Ishihama, Nagayuki Saito, and Koji Yatani. Exploring Nudge Designs to Help Adolescent SNS Users Avoid Privacy and Safety Threats. To appear in Proceedings of ACM CHI Conference on Human Factors in Computing Systems, 2020.
正木 博明,柴田 健吾,星野 秀偉,石濵 嵩博,齋藤 長行,矢谷 浩司.「SNS上の行動に関する若年層ユーザに対するナッジの効果検証」情報処理学会HCI研究会,2020年1月.

ひま部上でのアンケート調査に関するご説明

2019年12月16日
東京大学 大学院工学系研究科 矢谷研究室

アンケート調査に回答して頂いたひま部ユーザの方々ありがとうございました。ご協力に感謝致します。このページでは今回の実験に関する追加の説明をさせていただきます。本実験は東京大学大学院工学系研究科倫理審査委員会による審査を事前に経ており、承認を得ています。(承認番号: KE19-08)

 

研究目的

アンケート画面では、「東京大学矢谷研究室 若年層ユーザのプライバシーやセキュリティ意識調査」とお知らせしました。この研究の目的の1つは、お知らせした通り「若年層SNSユーザのプライバシーやセキュリティに関する意識や行動についての定量的な理解を得ること」でした。実際にはもう1つの目的があり、それは「質問の提示方法を変えた時に回答がどのように変化するか」を調査することでした。そのため、質問文の上に「多くの人は〇〇しないそうだよ」や「95%の人は〇〇しないそうだよ」といった幾つかの警告文のパターンを表示して、回答の割合を比較していました。その際、「95%の人は〇〇しないそうだよ」などという架空の調査結果も一部の方に表示しました。この調査によって、どのような警告文が若年層SNSユーザのプライバシーやセキュリティに関する意識や行動を変化させるのに効果的かを明らかにすることがアンケートの目的でした。

正確な結果を得るために、アンケートに回答して頂く前にこれら全ての詳細をお伝えすることはできませんでした。詳細をお伝えしないことで、皆さんの回答が自然なものであり前提知識や研究目的に影響されないようにしていました。 今回のアンケート調査においては、「95%の人は〇〇しないそうだよ」などという架空の調査結果を一部の方に表示しましたが、皆さんに先に研究の目的をお伝えすると皆さんの回答結果に影響する恐れがありました。研究のために皆さんに架空の情報を表示してしまいましたが、ご理解して頂ければと思います。

個人情報

研究の目的の一部はアンケート回答時にお伝えすることができませんでしたが、アンケート画面に表示しました「回答結果はひま部運営が個人情報を除いて分析して研究発表に使用する可能性があります。」の方針に関しては上記の通りであります。 本来であれば研究の本当の目的をお知らせした後に、ひま部ユーザの皆さんが自分のデータを研究に使って欲しくない場合データを除去することが可能なのですが、調査の際のアプリシステムの都合上それが難しく、ご自身のデータを除去するかの判断を皆さんに行って頂く機会を設けられず申し訳ありません。ご理解頂けると幸いです。

研究の報告に関して

この実験、および研究の結果に関しては、学術会議等で発表された論文を公表次第、東京大学矢谷研究室のホームページにて公開致しますので、ご興味のある方はご覧下さい。また、質問等ございましたらご連絡下さい。

連絡先

この調査の目的や手続きに関して、ご質問やご懸念、その他の問題がございましたらこちらにご連絡下さい。東京大学矢谷研究室: sns-nudge [at-mark] iis-lab.org

今後もこの内容を見られるようにするために、スクリーンショットや印刷などの方法で保存して頂ければと思います。最後になりますが、調査へのご協力誠にありがとうございました。

商品棚前における非計画購買者の行動特徴量の検討

 

購買者が入店前に購入品目を決定しなかったにもかかわらず,店内において購買を決定する購買行動を非計画購買と呼ぶ.実店舗においてこの非計画購買を理解することは販促活動において非常に重要視されている.その理由の一つとして,日本のコンビニエンスストアにおいて売り上げの70%は非計画購買によって成り立っているという調査がある.既存の研究ではカメラやセンサーを用いて実店舗における購買行動を調査しているが,非計画購買の特徴を説明づけるような行動特徴量の調査は今まで行われてこなかった.そこで本研究ではセンサーを備えたスマート商品棚を用いて,非計画購買に特有の行動特徴量に関する定量的な調査を行なった.研究室に店舗を模した環境を用意して実験を行なった結果,棚前での滞在時間や商品に手を伸ばした回数,棚からの距離が計画購買と比べて有意な差を示すことがわかった.また,これらの特徴量にBoruta と呼ばれる特徴量抽出手法とサポートベクターマシンを用いることで購買行動の分類を試みた結果,precision = 0.76recall = 0.81 であった.最後にこれらの結果に対する議論および今後の展望について述べる.

杉山 悠司,刀根 亮太,今村 修一郎,矢谷 浩司.「商品棚前における非計画購買者の行動特徴量の検討」情報処理学会第62回UBI研究会,2019年6月.(paper)

LINKED: RFID技術を活用した未来の家のコンセプト提案

 

LINKED: RFID技術を活用した未来の家のコンセプト提案

2018年12月に,コンセプト立案,及びコンセプトビデオ作成を行った,家庭内におけるRFID(電子タグ技術)を利用した未来の生活ビジョン,LINKED,です.このコンセプトビデオは,東京ガス横浜ショールームの「くらしのライブラリー キッチンライブラリーコーナー」における展示の一部として公開されたものです.現在の行為と直後の行為を結びつけるLINK foward,現在の行為と直前の行為を結びつけるLINK back,現在の行為と未来の行為を結びつけるLINK aheadの3つの結びつけ方とともに,5つの具体的なRFID技術の活用例を示しました.

なお以下の映像は,経済産業省が所管する新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「IoTを活用した新産業モデル創出基盤整備事業」の一環として制作しました.

 

 

さらに,我々が提案したコンセプトをもとにしたビジョンビデオがこちらになります.

 

経済産業省プレスリリース
http://www.meti.go.jp/press/2018/02/20190208003/20190208003.html

視覚が不自由なユーザのファッション活動に関する定性的調査

 

 

ファッション活動は社会生活において不可欠であり,個人のアイデンティティの表現でもある.し かし,ファッション活動は本質的に視覚を通して行われるため,視覚障がいのある人にとっては難易度が高い.情報技術は視覚が不自由なユーザのファッション活動を支えることができるが,既存研究では彼らの 必要としている情報や課題の全体像を十分に分析できていなかった.本研究は,視覚が不自由なユーザへ のインタビュー調査とその分析により,ファッションにおける視覚が不自由なユーザの問題点とその構造 に対する理解を深めることを目的とする.事前調査では視覚障がいのある 30 人の成人(全盲 18 人,弱視 12 人,男性 11 人,女性 19 人)の衣服のファッション活動に関するインタビューを通じて,定性的な調査を行った.本調査では衣料品のファッション活動が 4 つの段階,すなわち,購入前,店舗でのショッピング, 衣服管理,コーディネートから構成されていることを明らかにした.また,ファッション情報の収集,購 入する服の詳細情報の取得,着る服の状態の把握,コーディネートのフィードバックの取得といった,各段階における大きな課題を特定したうえで,ファッションに関するアクセシビリティを技術的に支援できる研究分野について論じた.

 

嶋田 紅緒,矢谷 浩司.「視覚が不自由なユーザのファッション活動に関する定性的調査」情報処理学会UBI研究会,2019年3月.優秀論文賞受賞.(paper)

風を用いたインタフェース実現に向けた風に関する知覚の定量的調査

 

 

風は新たなユーザインタフェースの情報提示手法として近年注目されている.しかし,先行研究で はインタフェースとして利用可能な風を起こすシステムを実現することが主な目的となっており,風によ る刺激と人間の知覚の関係性においては明らかになっていないことも多い.本研究では,人間の知覚を考 慮した風を用いたユーザインタフェースを実現するために,扇風機を用いた風に対する知覚を定量的に評 価する実験システムを構築した.そのシステムを用いて,ユーザが風の変化に気づくのに必要な強さの変 化量を調査した.さらに,調査した結果から風と人間の知覚の関係に関する知見をまとめることで風によ るユーザインタフェースの設計のガイドラインを提案する.

竹ノ内 朝陽,矢谷 浩司.「風を用いたインタフェース実現に向けた風に関する知覚の定量的調査」情報処理学会UBI研究会,2019年3月.(paper)

CodeGlass: GitHubのプルリクエストを活用したコード断片のインタラクティブな調査支援システム

 

ソフトウェア開発においてソースコードの理解は必要不可欠である.特に,実際の開発においてはコードの一部分(コード断片)の理解が必要となることが多い.我々が行ったインタビュー調査では,GitHub のプルリクエストの説明文とコメントに,コード理解において有用な情報が含まれていることが明 らかとなった.しかし既存のシステムでは,コード断片の理解支援のためにプルリクエストが十分に活用 されていない.そこで我々は,ユーザが選択したコード断片に関連する過去のプルリクエストを抽出し,ユーザに提供する CodeGlass を開発した.CodeGlass では,プルリクエストの説明文を解析し,実装内容や開発背景に関する文章をインターフェース上で強調して表示することが可能となっている.CodeGlass のアルゴリズムにより,選択されたコード断片が過去のバージョンにおいて分裂していた場合にも,関連する過去のプルリクエストをユーザに提供することができる.我々が行った CodeGlass の定量的および定性的評価の結果,コード断片の理解や専門的用途における CodeGlass の有用性が確認された.

 

 

柴藤大介,有薗拓也,宮崎章太,矢谷浩司.CodeGlass: GitHubのプルリクエストを活用したコード断片のインタラクティブな調査支援システム.インタラクション2019(フルペーパー). (paper)

Tabby: Explorable Design for 3D Printing Textures

 

This paper presents Tabby, an interactive and explorable design tool for 3D printing textures. Tabby allows texture design with direct manipulation in the following workflow: 1) select a target surface, 2) sketch and manipulate a texture with 2D drawings, and then 3) generate 3D printing textures onto an arbitrary curved surface. To enable efficient texture creation, Tabby leverages an auto-completion approach which automates the tedious, repetitive process of applying texture, while allowing flexible customization. Our user evaluation study with seven participants confirms that Tabby can effectively support the design exploration of different patterns for both novice and experienced users.

 

 

Ryo Suzuki, Koji Yatani, Mark D. Gross, and Tom Yeh. Tabby: Explorable Design for 3D Printing Textures. In Proceedings of Pacific Graphics 2018.

ソーシャルメディア上の行動データから流出する個人情報の定量的分析

 

情報社会において個人情報を適切に守ることは重要だが,スマートフォンとソーシャルメディアの普及とともに,個人情報の流出経路が多様化している.中でもSNSには,テキストを投稿するだけでなく,他者と交流したり他者の投稿に対してリアクションを行ったりする機能がある.このような行動データから,自らが意図的に個人情報を含んだ投稿を行わなくとも,個人情報の流出が起きる可能性がある.本研究ではSNSとしてTwitterのデータを分析に用いて,本人が投稿したテキスト以外から流出する個人情報について,定量的な評価を行った.

畑田裕二,矢谷浩司.「ソーシャルメディア上の行動データから流出する個人情報の定量的分析」第80回情報処理学会全国大会,2018年3月.学生奨励賞受賞.(paper)

KnowledgeDeck: ビジネス資料作成向け情報収集・整理支援システム

 

ビジネスパーソンは,プレゼンテーションのスライドなどの専門的な資料を作成する機会が多々ある.しかし,専門的な資料の作成は時間がかかることが多く,ナレッジワーカー(主に知的生産物の創造に従事する労働者)の生産性を下げる要因となっている.そこで本研究では,ナレッジワーカーの資料作成を支援するインタラクティブなシステムを構築した.システム設計に際し,ビジネス資料の作成・管理の方法や,その際にどのような問題点を感じているかに関するインタビューを実施し,質的分析を行った.その結果に基づき,Web上の情報を保存・管理し,プレゼンテーションスライドの下書きを行うことを支援するシステムであるKnowledgeDeckを作成した.KnowledgeDeckの有用性を検証するために,3人のナレッジワーカーにエキスパートレビューを行ってもらったところ,KnowledgeDeckは事例紹介を含むプレゼンテーションスライドの作成に,最も有効に活用できる可能性があることがわかった.

下尾波輝,矢谷浩司.「KnowledgeDeck: ビジネス資料作成向け情報収集・整理支援システム」第80回情報処理学会全国大会,2018年3月.(paper)