情報セキュリティやプライバシーについて知っておくべき知識は多様であり,それらについて学ぶことは欠かせない.ユーザブルセキュリティの研究においても,実験参加者等の知識を測るために情報セキュリティ・プライバシーに関する問題を出題することがあり,インターネットに関する知識を網羅的に扱った問題セットの需要は高い.そこで本研究では,情報セキュリティ・プライバシーに関する網羅的な問題リストの作成を目指した.まず,過去10 年のユーザブルセキュリティに関する論文を分類し,9の大分類と40の小分類を作成した.そして,分類カテゴリに基づいて90 問の正誤問題を作成し,クラウドソーシング調査(N=900)で正答率を測定した.調査の結果から,問題への正答率とSeBIS のスコアの相関や,年代や居住国,性別による正答率の差異が明らかになった.

吉川 諒,徐 安然,ゼファン シュラーメク,矢谷 浩司.ユーザブルセキュリティ研究に向けた情報セキュリティ・プライバシーに関する問題セットの構築.DICOMO 2023,2023年7月.(paper)