学校や教科書で用いられるプログラミングの演習問題と,実際のソフトウェア開発業務に関する知識やスキルの間に隔たりがあることが知られている.先行研究では,GitHubのコード変更データをプログラミング演習問題に転用するシステムであるRealCodeが開発され,既存の学習環境にはない独自の演習問題を提供可能であることが明らかになった.しかし,RealCodeが演習問題を生成する条件に検討の余地が残されていることに加え,演習問題から学べる内容と難易度についての評価・予測は行われていない.そこで,PythonまたはJavaScriptで開発を行った経験のある15人の学生,開発者により,RealCodeが作成した演習問題の妥当性,学習できる内容,難易度についての評価を実施した.本論文では,集めたデータの詳細を報告するとともに演習問題の妥当性,難易度,学習内容の予測に寄与する可能性のある特徴量について議論する.

松井 秀憲,矢谷 浩司.「GitHub上のコード変更を利用したプログラミング演習問題の実用性の評価」情報処理学会HCI研究会,2020年3月.(paper)