アルゴリズムとデータ構造の学習は, 情報教育の1 つとして欠かせないものである. これまでに, アルゴリズムとデータ構造に関して体系立てて説明した書籍や教材, 研究などは存在する. アルゴリズムとデータ構造の知識がある人がソースコードレベルで重要な行とその理由について述べることはできるが, 複数人への調査を経て, 一般に高等教育などで教えられるアルゴリズムとデータ構造に関してアノテーションされたものは少ない. そこで, 本研究では, アルゴリズムとデータ構造の問題と解答ソースコードを30問用意し, 各問題において, そのソースコードの中で重要な行を選び, その理由を書いてもらうというアンケート調査をアルゴリズムとデータ構造の知識およびプログラミング経験のある11人に対して実施した.さらに, 著者ら2 人で, 14 個のラベルを作成し, 回答で得られた全ての理由データに対してラベリングを行った. 本稿ではそのデータ制作過程を述べるとともに, プログラミング穴埋め問題を作成する際のデータとして使用するなどのコードデータの活用法について述べる.
香取 浩紀,山本 恒輔,佐藤 安理紗 ジエンジエラ,矢谷 浩司.アルゴリズムとデータ構造に関するコードデータのアノテーションとその分析.DICOMO 2023,2023年7月.(paper)