スマートフォンやパーソナルコンピュータ上でのプッシュ通知は,ユーザに対し即時的に情報を伝える手段として広く用いられているが,ユーザが通知を受け取りたいかどうかを考慮せずに行われるため,ユーザの作業への集中の妨げになったり,煩わしく感じられたりしてしまうという課題がある.本研究では,見た目や出現位置といったプッシュ通知の視覚的な特性を適切に調整することで,ユーザに対する気づかれやすさと受容性の高さを両立する通知を設計することを最終的な目標とし,通知の視覚的特性の変化が通知の誘目性と受容性をどう変化させるかを調査した.この調査のために,実験参加者にタスク中に出現する通知について気づきやすさと受容性について評価をしてもらうユーザ実験を行った結果,通知の透明度や注視点に対する相対位置が誘目度と受容性の増減に強い影響を与えるなどがわかり,それらの知見をもとにユーザにとっての気づかれやすさと受け入れやすさを両立する通知の設計方針について議論した.

宮崎 翔,乘濵 駿平,山本 恒輔,ゼファン シュラーメク,佐藤 安理紗 ジエンジエラ, 矢谷 浩司.プッシュ通知インタフェースの誘目度と干渉度のモデル化.DICOMO 2023,2023年7月.(paper)