がんの治療などによって声を失った喉頭摘出者が用いる代用発声法の一つに発声支援デバイスを用いた発声法があるが, 一部の発声支援デバイスは声に抑揚がなく不自然に聞こえるという欠点がある. 過去の研究において複数の抑揚制御の方法が提案されてきたが, デバイスを持つことにより常に片手が塞がれてしまったり, 抑揚制御が呼気量に依存してしまうといった欠点がある. これらを解決するために, 本研究では新たにジェスチャを用いて声の抑揚を制御するシステムの設計に向けて, 発声障がい者が会話している状況下において人々がジェスチャに対して感じる社会的受容性を調査した. その際ジェスチャを行う側と観測する側の双方の立場からの調査を行い, 社会的受容性の観点からどのような特徴を持つジェスチャがシステムの入力に相応しいかを考察した.
澤野 令,山田 大志,佐藤 安理紗 ジエンジエラ,戸原 玄,矢谷 浩司.発声支援デバイスの制御を目的とした手のジェスチャに関する社会的受容性の調査.DICOMO 2023,2023年7月.(paper)