
学術論文が視覚に不自由があるユーザにとっても読むことができることは非常に重要であり,中で も,支援技術であるスクリーンリーダーによる読み上げのために,論文内の画像に適切な代替テキストを 設定することは非常に大切であるとされている.しかし,現在公開されている論文では,図に適切な代替 テキストが設定されていなかったり,設定されていてもその内容が適切でなかったりする場合が少なくな い.これに対し本研究では,ヒューマンコンピュータインタラクション分野の国際会議であるCHI で発表 された3,000 件以上の論文から,約17,000 件の論文内の図と代替テキストの組を収集し,その内容につい て分析を行う.この分析により,現状の代替テキストの設定状況や記述傾向を調査するともに,今後,論 文内画像の代替テキストの記述支援を行う研究につながる知見の提供を目指す.
宮崎翔, マラクリヤ シルバン, 矢谷浩司.アクセシビリティのための論文内画像の代替テキストに関する定量的調査.情報処理学会HCI研究会,2024年11月.(paper) 2025年度山下記念研究賞