近年,高齢者の軽微な口腔機能の低下が将来の健康リスクを増加させることが示され,口腔機能の定期的な評価の重要性はますます高まっている.しかしながら既存の口腔機能の評価手法は,特別な測定機器の必要性や測定自体の単調さ等の理由から,ユーザーが自発的に繰り返し取り組み難いという課題がある.そこでカラオケに含まれるゲーム性が測定に対する心理的負担を軽減することに着目し,モバイル端末による歌唱を通じた嚥下・構音機能を評価手法を提案する.提案手法の実現に向けて,我々は非高齢者110 名(65 歳未満)と高齢者76 名(65 歳以上)の実験参加者から歌唱と構音・嚥下機能のデータを収集した.本稿では,得られた歌唱データに対して音響・画像分析を行い,構音・嚥下機能との関連を示した後,提案手法の実現に向けた今後の課題について検討する.

平井 雄太,耿 世嫻,下島 銀士,小野寺 宏,矢谷 浩司.歌による嚥下・構音機能の定量的評価手法の実現に向けた歌唱データの音響・画像分析.情報処理学会UBI研究会,2021年12月. (paper)